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本の紹介 『新TOEIC TEST 読解 特急3 上級編』

【特急シリーズ】
『新TOEIC TEST 読解 特急3 上級編』

こんにちは。夫です。『新TOEIC TEST 読解 特急3 上級編』の紹介です。

本書は、2011年9月発売の、読解特急シリーズの第3弾です。パート7のシングルパッセージの問題集ですが、記事問題ばかりで難易度が高めとなっています。

基本情報

書名:新TOEIC TEST 読解 特急3 上級編

著者:神崎 正哉 / TEX 加藤 / Daniel Warriner

定価:821円(税込)

発売:2011年9月7日

内容

構成

350語程度のシングルパッセージに設問が5個ついているものが20題、合計100問のパート7用問題集です。ひたすら 問題→解答解説 という流れです。

冒頭に「words per minute 換算表」と、その数字を記入するグラフが用意されている点、各解説の最後に重要語や難語の語注がついていて、単語の確認もすぐにできるようになっている点は他の読解特急と同様です。

レベル・対象者

名前に「上級編」とある通り、本書の問題レベルは、本試験よりも難しいです。本試験で終わった後に、「あの問題は結構難しかったね~」と話題になる文章ばかり集められている感じです。しかも、すべてが記事問題(article)です。記事問題は、メールや手紙、図表などの問題と異なり、きちんと内容を理解しないと解答が導けないため読解力が真っ向から問われます。

本書の対象者は当然ですが上級者です。スコアで言えば、リーディングが400を超える人向けだと思います。最低でもそのぐらいはないと、読み通すだけでもきついと思いますし、スコアアップには効率が悪いかもしれません。

使用した感想

良い点

  • 問題自体が面白い

一番良い点は、問題文自体が面白いことです。

神崎:
今回は、内容を面白くするために、「TOEICには実在の人物や企業名は出ない」「ビジネス以外のトピックは出ない」ということは承知の上で、事実に基づいたさまざまなトピックの「記事」を制作しました。読者の皆様も読んでいて、思わず「へぇーボタン」を押したくなるはずです。
(本書冒頭の解説より)

という著者神崎さんの言葉通り、本書の問題は、実在の人物や企業が登場します。アップルやウィンドウズ、謎の画家バンクシー、果ては幽霊と、TOEICに比べて多様でちょっとした勉強にもなります。たしかに、「へぇー」と思うこともありました。TOEICの対策をしていて少しむなしいのは、架空の出来事を読んでいることなんですよね……。

どうせなら実際のことを読んだ方が勉強になるのになぁ、と思いながら問題を解いている人にとっては、この本はかなりおすすめですよ。

  • 問題すべてが記事問題

上級者にとっては、問題すべてが記事問題というのも非常に良い点です。メールや手紙の問題は、定型パターンが多く、だいたい内容が予想できますよね……。

TEX加藤さんも、

加藤:
まあ、確かに、I am writing this letter to express my interest in the position of ... って出だしを見た瞬間、「また求人への応募だよ」って思いますからね。
(本書冒頭の解説より) 

と書いていますが、TOEICerなら同意する人がほとんどでしょう。ある程度の実力者にとっては、そういった問題をたくさん解くよりも、記事問題をたくさん解いた方が実力アップにつながると思います。

  • 上級者向けであること

TOEIC夫婦もまだまだですが、上級者になってくると、簡単な問題を解くのはちょっと飽きてきますし、あまり勉強にならないので、負荷のある問題を解きたいという欲求が高まります。本書ぐらいの難易度なら、上級者も楽しみながらスコアアップを図れると思います。

  • その他 

冒頭の「words per minute 換算表」で読解スピードを測れる点、問題文を見開きに収めている点も良いです(『読解特急5』と同じ)。

悪い点

あえて挙げるとすれば「解答時間記載欄」がないこと。ページの隅にでも書いておけば問題ないのでそこまで困りませんが、印刷スペース的には記入欄を設けても良かったのでは……?

おすすめの使い方

読解特急シリーズ1~5の第3弾という位置づけですが、本書に取り組むのは、他の読解特急シリーズを終えてから、もしくは十分なリーディングの力(最低R400)をつけてからの方が良いです。その方がスコアアップの観点からは効率的ですし、十分な力がない状態で解いても、勘で解くことになり、時間と問題が無駄になってしまうでしょう。

おすすめ度

★★★★★

TOEIC対策本には不足しがちな「読んでいて面白い」という要素を含む上級者向けの本として、かなり良い本だと思います。新形式への対応版を出すだけでなく、上級編自体をシリーズ化してほしいです!